「特別」でなくなった

大丈夫。

きっと、生きてていいはず。

もうちょっと、生きてていいはず。

死ねと言われたわけではない。

ずっと、手を引かれていたけど、その手が離れただけ。

補助輪が、外れただけ。

もう一人で歩けるでしょ、歩けるはずだよ、って、国がお墨付きをくれたんだ。

心強い。

何よりの、判断基準じゃんか。

不安は不安だけど。

みんなそうやって、一人で歩いているんだ。

そうやって、一人で、お金を稼いで、家事をして、生きているんだ。

私も立派に、仲間入りを果たせたんだ。

胸を張って、一人で、歩いていけばいい。

大丈夫。

生きていける。

まだ、生きていたい。

思い知った。

やっぱり、どこか甘えていたんだな。

あの子に、あの人に、言われた通りだ。

目を開いて。

胸を張って、生きていこう。