つけたばかりの頃は、誇らしかった、指輪。
数日前までは、「別れないぞ」という、決意の表れだった。
今は、枷。
まだ、逃れられていないということを忘れないための、枷。
実家に暮らし。
彼は、出張。
ラインで、責められ続け。
「で、あなたは、その家に住むつもりですか?」
別れよう、と思ったら、とても元気が出た。
即、動いた。
あんまり、書かない方が、いいのかな。
可能性が、広がる、広がる。
なんだって、できるんだ。
心に絡みついていた鎖が、ほどけたよう。
忘れないよう、枷は、外さない。
涙は出るけど。
つらいけど。
これはもう、無理だから。
なんとか取り繕っても、彼はまた、繰り返す。
それが、確信できた。
前を、向いて。
どっちが前か、わかるから。